あなたはジェイ・エイブラハムという名前は聞いたことがありますか?
ほとんどの人はないと思うので、知らなくても全く心配は要りません(≧▽≦)
私も去年までは、ジェイ氏の名前を聞いたこともありませんでした。
あなたが検索でここに辿り着いたのでしたら、既にビジネスに参入しているか
もしくはそうしたいと思っている方かもしれませんね。
なぜかというと”ビジネス”に着手した時にご縁が出てくるような名前であり、
「知る人ぞ知る」人だからです。
ただこれからの時代、知っておいて損はない人のひとりが、
この「ジェイ・エイブラハム」かもしれません。
今回はわたしのジェイ・エイブラハム体験を織りまぜて簡単に話してみますね。
もくじ
ジェイ・エイブラハムってどういう人?
1949年米国生まれのジェイ・エイブラハム氏は
マーケティングの大家(たいか)のひとりです。
アメリカではベビーブーマー、日本だといわゆる団塊の世代ですね(^▽^)
名だたる大企業のコンサルタント
そしてすごいのは彼のクライアント(顧客)。
米トヨタ、マイクロソフト、ニューヨーク・タイムズ、IBM、
シティバンク、川崎モーターズ...
そうそうたる企業群ですね!!
しかしそういうところしかクライアント(顧客)にしないということではなく、
中小企業から起業家までを応援してきた幅の広さがあります。
世界的なマーケター
これまでの40年以上にわたるキャリアの中で、
460以上の業界、12000社に対しての経営コンサルタントを行ってきたエイブラハム氏。
総合して約9400億円の利益をクライアントにもたらしてきたと言われる手腕は、
フォーブス誌でも全米トップ5の企業コンサルタントとして選ばれています。
ワシントン・ポストなどの米国の主立ったメディアからこぞって
「マーケティングの天才」「グル」としての評価を受けています。
知られていなくても日本での影響は意外と大きい!?
意外と思うかもしれませんがジェイ氏のビジネス手法は、
日本での広告、セールスの形態にいつのまにか浸透しているのです。
下の見出しの「リスク・リバーサル」の部分で詳しく話します。
「こういう精神で向かい合いましょうね」という「理念」的な影響も大きいので、
その点はあまり一般には意識されていないでしょう。
ジェイ・エイブラハムの教えの特長は?
ジェイ・エイブラハムのマーケティング戦略は、とてもオーソドックス。
「言われてみればそうだな」とか、
「もちろんそのとおりだ」とさえ思える事がほとんどです。
ただそれらを現実に実行するには、かなり色々な事をしっかり考える必要が出てきます。
シンプルだけに難しいともいえるのかもしれません。
ただ、実践できた場合は確実に効果があるようですね。
それが彼の実績に現れています。
USPは、苦しい価格競争から抜け出せる大事な考え
USPとは、ユニーク・セリング・プロポジジョン(Unique Selling Proposition)の略語です。
英語でのプロポジションとは、
”申し込み”、”提案”、”主張”という意味合いです。
そして、セリングとは「売ること」。
つまり売ることにおいての「提案や主張」が「セリング・プロポジション」という事になってきます。
それがユニークな「提案や主張」ということなのですから、
ユニーク・セリング・プロポジションとはうんと簡単に言うと「あなた独自の売り」という事です。
ビジネスには必ず同業のライバルがいますよね?
それぞれがサービスや価格を喜ばれる内容にしようと頑張っています。
お互いの企業がそれで切磋琢磨するのは素晴らしい事ですが、
みんなが同じ内容を主張して競いあっていてはどこまでいってもキリがありません。
特に、どこの会社でも良い物を作ろうと頑張った結果、
サービスや内容のレベルが上がるのは良いのですが、結果的にどの会社を比べても大きな差がない状態が生まれてしまうことも。
そうすると、抜きん出るためには価格を抑えて提供するということが
いちばん手っ取り早く感じると思いますが、
レベルを高品質にしながらコストを押さえることには限界があります。
何より、価格だけをアピールポイントにすることはそれまでと同じサービスを
より低いコストで行わなければいけなくなるので苦しくなってきてしまいます。
そこで自分のUSP=商品独自のアピールポイントを決めてしまうのです。
USPさえ作ってしまえば、ライバルとの全面的な競争からいち早く抜けられます。
そしてライバルが訴えていないUSPに力を集中すれば、その面において頭一つ抜きん出ることができます。
このUSPは、必ずしも特別な発明をしなくても良いというのがポイントです。
自分としては普通に思えることであっても構いません。
たとえば、以下にジェイ氏の実例を出して見ましょう。
五大湖の近くにあるビール製造会社がありました。
良いビールを造るために五大湖の深層部分からくみ取った水を濾過(ろか)し、
たくさんの工程を経て丁寧に作っていたそうです。
それに感動したジェイ氏は、その工程をUSPにするようにアドバイスをしました。
すると社長は「他のビール工場もこの工程と同じ手順を踏んでいるので、
特に独自でもなく珍しいことではありません」と言いました。
ジェイ氏は
「でもその工程をアピールしている会社はありません。
こんな風に手を掛けているすばらしい製造工程の事実を消費者に訴えるべきです」
と説得し、そのビール工場は製造過程を顧客に開示して謳い文句としました。
その結果、このビール会社は売上げ8位から1位に躍り出たということです。
中身が必ずしも独自でなくても、ライバル会社が訴求していない何らかの隠れた良い面を見つけ、それをいち早く訴求する。
いわゆる、「言ったもん勝ち」と言えるでしょう。
そうしてしまえば、驚くほどの効果を上げることができるという好例です。
卓越性の戦略
ジェイ氏は購入者を「カスタマー(顧客)」というよりも、
ずっとお客さんの幸せを守っていく「クライアント」というニュアンスで捉えています。
単に毎回新しいお客さんに、その場で高いものを一度買ってもらうだけの工夫をするよりも、長い期間を通じて購入者のためになる提案をし続けることで
お客さんに愛されていくことが大切だと説いています。
愛されれば、同じ人が再びリピートする率も自然と高まります。
たとえば購入者(クライアント)に取って良い選択となればその時の売上は少し減らしても安い物のほうを提案する。
また、購入者の家族や友達の困り事や相談に対してもアドバイスを示唆してみる。
こうしてじっくりと時間をかけてお付き合いをしていきたくなる「お助けのポジション」に立つようにしていきます。
そうなると、購入する側にとっては「このことについての相談や購入はあの人のところでなくちゃ!」というくらい非常に頼られる存在になっていきますよね。
地道ですがこのように顧客にとって手放せない関係になることにより、
ほかの企業、会社よりも卓越した存在になるのです。
「クライアントに恋をしましょう」とジェイ氏は言っています。
うーん、なかなかそこまでのレベルは簡単ではなさそうですけどね(^_^;)
ただ、「そういう考え方があるんだな」と意識できるだけでもちょっと違ってくるでしょう。
少なくともお客さんの事を好きでいられると、気持ち良いのは確かです。
わたしたちもヤフオクなどネットでの販売経験が多くなってきましたから、心当たりがあるのではないでしょうか。
ジョイント・ベンチャー
これは、自分にない部分を補ってくれたり、お互いに持ちつ持たれつの関係になる相手と組んで効率を計る戦略です。
本格的に言うと、二つの会社が共同出資で新しい事業を立ち上げることです。
先日驚きの発表をしたトヨタとソフトバンクの提携はジョイント・ベンチャーの一番大きな例のひとつですね。
「車の移動の力」のトヨタと、「データの力」のソフトバンク。
それぞれの業種での第一人者と言えますね。
しかしそれを融合させることで、「移動型サービス」という新しい概念のサービスがうまれつつあるのです。
ただ、厳密にはベンチャーというと新規事業ですが、実際のジョイント・ベンチャーは
小回りの利く中小企業から個人事業規模のあいだで行われるケースが多いかもしれません。
(データなどをリサーチできていないのでそこは詳しくわかりませんが....)
ジョイント・ベンチャーにおいては、両者が従来のビジネスを継続しつつ、
お互いを補完する関係でジョイントすることのほうがケースとしては多そうです。
例えばお家を作る会社が、造園業者さんとジョイントするとします。
そうすると利用者側としても新しい家を作るときに、庭も作るために造園業者をわざわざ別に探し手配しなくても、ハウジング会社がパッケージのようにして造園会社を紹介すれば、ほとんどのお客さんは手間も省けるしそのまま造園もお願いしますよね?
造園会社も新規顧客を開拓する手間やコストが大幅に省けるという、大きなメリットがあります。
ハウジング会社に対して造園会社は、自社で保有しているお客さんに配るチラシやホームページに、
「家を建てるときはこの会社がお勧めですし私経由で依頼するとこんな特典があります」などメリットをうたって案内すれば、
家を注文してくれる人がそこから出てくるかもしれません。
家はとても高額なお買い物なので数人が多く注文するだけでも違ってくるでしょう。
これがハウジング会社側のメリットですね。
ジョイント・ベンチャーは規模の大きさを問いません。
色々考えてみることでビジネスの発想力の練習になるかも!
実は日本でもおなじみのリスク・リバーサル
リスクリバーサルはお客さんのリスクを可能な限り取り除いて上げることです。
たとえば商品を購入するとき、
「買ってみてもし自分に合わなかったらどうしよう...」と心配なことってあると思います。
そこへ次の一言があると、
不安も一瞬で吹き飛ぶと思いませんか?
「万が一合わなかったら30日以内にご連絡下さい。全額返金いたします!」
これがリスク・リバーサルです。
あなたもテレビ通販をみていて耳にしたことがあると思います。
いつしか、わたしたちが聞き慣れているこの謳い文句、
気づけば一般的になっています。
エイブラハム氏のリスク・リバーサルを知ると
「ここが大元だったのか!」と思えます。
「リスクを取り除いて安心してもらう」ことが購入のハードルを下げるので、効果は絶大なのです。
返品が通常はできない靴という商品に対して、
「リスク・リバーサル」を導入した事が非常な効果を上げた靴のネットショップもあります。
ジェイ・エイブラハム氏の本
そんなジェイ・エイブラハム氏ですが、本はそんなに多く出ていません。
内容は秀逸なものの、本格的でやや高度なものである面もあることから、
一般的に手に取りやすい内容とはもしかしたら言えないかも。
少なくとも日本で翻訳されているものは数えるほどです。
それでもジェイ氏の書籍をいったん読んだ人からは、
そのビジネス戦略の強力さに感銘したり、目からうろこが落ちたという感想が述べられています。
その中で、ジェイ・エイブラハムと言えばこの作品をまずは押さえよう!
スタンダードになっているのが、
ハイパワー・マーケティング。
実際の起業家、経営者たちがこぞって何度も読み返して実践と効果を上げている声も非常に多いもようです。
「ハイパワー・マーケティング」には書籍とオーディオブックの両方があったのですが
わたしはCD版のオーディオブック(現在は残念ながら販売していないようです)を入手でき、最近もリピートしていました。
1,2度聴いて理解が多少進んだ後で
1.25倍速くらいにするとリピートして頭に入れやすいです。
内容は、徹底してクライアントの立場を考える方法、
そして何をするにもクライアントへのアピールの機会を逃さない方法が盛りだくさん。
実は上に書いたビール工場のストーリーも、オーディオブックの中にあります。
ジェイ・エイブラハム第2弾はこちらの「クラッシュ・マーケティング」。
こちらもやや古いのですが、内容は秀逸と評判です。
おわりに:実はジェイ・エイブラハム氏を生で見ました
実は2017年、わたしは来日した本物のジェイ・エイブラハム氏を見る機会があったのです。
登壇したジェイ・エイブラハム氏はヘッドセットマイクを装着し、
リラックスした感じでポケットに片手を入れ、もう片手で身振りをまじえたりしながら言葉をつなげてどんどん話します。
そのあたりの雰囲気は本当に外人さんらしい(この感想!)という印象でしたが、
やっぱり何かオーラをまとい、どこか迫力のある佇まいを感じられました(^^)
とにかく当日は、通訳で聞こえてくる言葉を手帳に片っ端から走り書きしまくりました。
わたしがUSPについても知ったのはこの時です。
その翌年にアフィリエイトをスタートしました。
「とにかくマーケティングの世界において凄い第一人者らしい」という事で、
まだネットビジネスを勉強しようという入口に立ったばかりのわたしが
いきなり目にした人がジェイ・エイブラハム氏だったのでした。
最初からマーケティング総本山、
日本中の企業に影響を与えていた第一人者を見て置けたのはかなりラッキーなことだったと思っています。
なんと、この夏ジェイ・エイブラハムに再会!
客席から眺めるよりアットホームで身近に感じるジェイ氏を見られる時代になりました。
ネットビジネスでも大成功する法則を生み出す人もたくさんいます。
その中の一人で有名なのがジェフ・ウォーカー氏。
彼の主催するライブに申し込んだ玉砕体験はこちら!
アメリカのマーケターがジェイ・エイブラハム氏なら、
日本を代表するマーケターは神田昌典氏と言われます。
こちらでは神田昌典さんの本について書きました。